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こんにちは。吉野美奈子です。 いよいよ本気で冬の気配。今日のNYはついに氷点下をきりました。日本のみなさんはいかがお過ごしでしょうか? ロフトに暮らしていると、どうしても風通しがいいので(笑、冬はそれなりにたいへんです。そういうときは、どうするかというと、「MINAKO! ワインだ! ダンスだ!」 という実にその場しのぎのやりくりを、ロシア人アーティストたちから学びました。なんというか、つくづく、こうやって文化は生まれてゆくのですねぇ(笑 さて、今回は、前回に引き続き、その後のBAPオープンスタジオ「当日のようす」を実況スタイルでお伝えしたいと思います。しばしNYのローカルなアートシーンをご体感くださいませ。 BAPオープンスタジオは今年が初年度ということで、関係各所はそれぞれ手探り状態。しかも、当日マンハッタンからの地下鉄が止まるという事実が発覚して、「それじゃぁ、誰も来れないじゃない?」という、ちまたの心配をよそに、前日の夜にサイトをチェックすると、これが可笑しかった。 “L Train Stop! No problem! Come to the BAP!” (Lトレインはとまっちゃうけど、問題ないよ!BAPにおいで!) 電車がとまるぐらいじゃくじけないっていうか、Lが止まっても、この手がある、あの手があるって、HPの中で巧みに誘導している。あたりまえだが、さすが主催者側はあくまでポジティブ。でも、いったいそんなに苦労してどのぐらいの人がここまで来てくれるんだろう? 「MINAKO、Lが止まっちゃうんじゃぁ、せいぜい来てくれても友達10人が関の山かも」 スタジオのレイアウトをしながらベンジャミンが言った。 「そうだよねぇ。でも、ベン、サインを出そうよ。とにかくやるんだから外からスタジオに誘導しなくちゃ!」 ベンにとっては、初めてのオープンスタジオだったけど、私は自分の111での経験が役立つことに気がついて嬉しかった。なにがなんでも絶対サインは必要なのだ。張り紙禁止とか、落書き禁止とか言われても、明日だけは必要なのだ。 「はってくるね!」といってスタジオの外に飛び出していった。 表はちょーぉおお寒い。お月様が輝いてる。明日はいい天気だ。宇宙に感謝。 「Benjamin and Minako STUDIO201」 のサインをビルの外から入り口まで張りまくった。 耳も指も寒さでちぎれそうになってスタジオにもどると、ベンがめっちゃくっちゃかわいい看板をつくっていた。ひょー。さすが、建築家だ。ちゃんと足がついて看板になってる。 「どう? これ。」「いいよ、いいよ、ベン! 最高だね!」 ん? しかも「ワイン&ビール&フリーホットドック!」って書いてある。 きゃはは。やっぱりお祭りだ。 「MINAKO、ビールとワインはあるんだ!」 「了解! じゃぁ、あとホットドックだね。明日の朝に調達してくるよ。どのぐらい買う?」 「そーだなぁー。100個分かなぁ。」 げ? 100って、それって、けっこうなボリュームだよ。まぁ、希望を持って100といくか。 そして、私たちはディリバリーのピザをほおばりながら、ほとんど朝までスタジオ作りをして一瞬だけソファーで仮眠をとった。明日の夜もオールナイトなら、ちょっとは寝とかないとまずい。それから私はダッシュで自分のスタジオにもどって、100個のホットドックを(やっぱり重かった!)調達してから2時のオープンに滑り込みで帰った。 「まぁ、そんなに人は来ないと思うけど、とりあえずホットドックでもつくるか」 ベンがそう言ったかと思ったら ピンポーン。表の呼び鈴がなった。2時10分。 「私がでる!」 「HELLO! Welcome to Our Studio!」 うぁー。びっくり。ほとんどオープンと同時に人が来ちゃったよ。 ベンのお友達? って聞いたら「ううん、ボイス(情報誌)でみたのよ」と言う。 「えー、どこから来たの? この近所なの?」と立て続けに聞くと、 「マンハッタンからきたの。」 え。だって、電車とまってるのに!?(涙! 感激!) 「エエエエエエらららららいいい!!」 まさしく、私たちの悲観的予想をドラマチックに裏切って、それからもどんどんどんどん人がやってきた。私もベンも座る暇も休む暇もなくて、次から次から質問攻めで喋りっぱなしだから、のどもガラガラになっちゃうし、楽しくってしょうがないんだけど、さすがに初体験のベンは途中で一瞬まいってしまった。 「MINAKO、なんなんだ、すっごい人がきちゃうじゃないか。もう膝ががくがくだよ!」 私は10月に青山で個展を終えたばっかりだったので、やってくる人々と会話をしながら、なにげに何が東京とは違うのだろうと考えていた。 東京の個展の現状は知り合いが多くて、ネットでみつけました、なんて人はほんの5%にもみたいない。知り合いの知り合いとか、要は口コミというか、コネの世界なんだと思う。それこそ、いかにフライヤー(ショーカード)が魅力的であろうとも、私はぜんぜん有名な作家じゃないから、それを手がかりに来ました、なんて人はほとんど皆無に近い。 NYの人たちには脱帽する。結局あけてみたら、この広くないスタジオに、ほんの半日で軽く200人は超えていて、知り合いっていうのは、10%ぐらいで、あとの90%は全部、雑誌や、ネットや、フライヤーをみて来てくれた見ず知らずの人たちだった。電車が止まっても知り合いとか友達がいなくても、「アート」を求めてやってくる。わかりにくいスタジオでもサインを追いかけてちゃんとみつけてしまう。作品をみて自分の感想をどんどん言う。質問をする。自分のやっていることも紹介したりして、次のプランをみんなで企む。記者の人や、パフォーマンスのアーティストや、別のエリアのアーティストや、アートスチューデントや、ただアートが好きなのって言うような人たちもとても多くて、みんな本当に楽しんでいる。みんな本当にアートが好きなんだ。東京で出したのと同じショーカードをスタジオで展示していた。すごいスピードでなくなってしまう。この明白な差は、土地のもつエネルギーの違いと解釈するしかないのだろうか? やっぱり「NYは特別だから」という理由でまとめるしかないのか? いや、きっかけさえあれば、東京もNYになれるのではないか? いや、それはこっちの大先輩たちが言うように、実現不可能な「夢」なのか? うーん。だって、私は東京も大好きなのだ。でも、もっとアートがほしいと心から思う。もっとみんなで気軽に楽しみたい。 そもそも、アートが特別な階層にあるような変なムードが漂ってる気がするのだ。それをブレイクしたくて、かつて地元のFM局でアート番組をやったことがあった。 本当のこの世界はただ求めさえすれば 「誰もが自由になれる素晴らしい時空」なのだからー ちょっと横にそれてしまったが、話はもどって「オープンスタジオ」である。ビールもワインも最後の一滴まで飲み尽くし、疲れ果てたベンと私は、スタジオを閉めて、夜の部に参加することにした。ホストになるとこのようなことがまま発生する。昼の間、まったく外に出れなかったので、ほとんどのイベントは見損ねてしまったけど、パフォーマンスの夜の部は朝まで続く訳だから、これからが本番! ベンがまだあけてるスタジオや、協賛していた近くのバーやカフェを案内してくれた。寒い寒いNYの夜に、どこもかしこも最高に人で溢れている。ローカルビジネスにも嬉しい悲鳴だ。初年度にしちゃ上出来だよね。みんなよくがんばったよね。今夜もまたお月様が奇麗! みんな楽しそう、とっても気持ちいい! ブッシュウィックの工場地帯は真夜中だというのに、人で溢れていた。 最後は打ち上げのパーティ会場「ファクトリー(工場)」に向う。ファクトリーは、その名の通り、木工の工場である。どこのエリアでもそうなるのだが、こういう場所は、パワー(電源)があって、ノイズをだしてもかまわないので、格好のパーティスペースとなってしまう。さて、入り口には予想通りの長い列。寒いいい! 参加アーティストは入場料を免除される。普通に払っても10ドルだけど、なんか嬉しい。細い通路を抜けて、一歩踏み込むと、 そこには音楽と映像ががんがんに交差する中 、いやはや、圧巻。 “5,000人”級のパーティが展開されていたー やっほー! BAP大成功! 今夜はもう踊るしかない! すべての巡り合わせに感謝して。 いつか東京でもやれたらいいなー。 Ben & Minako with artworks at Studio201 for BAP 2005 最高のパートナーでした。ベンジャミンと ベンのキッチンでホットドック作り! ホットドックとMINAKO's Painting(青山個展より抜粋展示) ホットドックよりもやっぱりアートはワインがセット! そして、ベンと楽しい仲間たち 最後に、こちらがベンの作品。 時間を重ねてみればみるほど、好きになるアートでした。 構築される感じは建築家そのもので、 1本1本のピンの正確さ 直線にかさなる曲線の優しさ 彼は一つの作品を何年も何年もかけてつくります。 これが彼そのものだなと、つくづく感じます。 オープンスタジオで、いい友達ができました。 すべてに感謝です 『はじめまして、MINAKOです。―作品集の考え方―』No.001 『NYの OPEN STUDIO』No.002 『NYの OPEN STUDIO その2』No.003 『ART BASEL in Miami Beach/世界へのアプローチ』No.004 『NYアートの洗礼』No.005 『ニューヨークアートを体験しませんか?』No.006 『NYアート留学体験参加者募集』No.007 『黒姫受賞とNYアート体験一期生』No.008 『NY流お絵描きワークショップ&サマーパーティ in 東京!のご案内』No.009 『2006/12/7 NY直輸入吉野美奈子石彫刻展(12/17~12/23)& 絵画とダンスコラボレーション“つらなり”& 111幻アートスクールワークショップ (12/17~23)in Tokyoのご案内』No.010 『幻の記憶(111アートスクールレポート)』No.011 『生きる場所(吉野美奈子個展公演レポート)』No.012 『夢見る人々に NEVER TOO LATE 』No.013 『アメリカ独立記念日 』No.014 『吉野美奈子制作奮闘ダイアリー』No.015 『「光のアリア」個展報告と「チェルシーのギャラリー」』No.016 『いろんなアートの形(yozgalleryとmottainainy) 』No.017 NYアート体験レポート 『NYアート体験レポート』No.001 石塚智寿 編 『NYアート体験レポート』No.002 よしだみおき 編 『NYアート体験レポート』No.003 加藤健太郎 編 『NYアート体験レポート』No.004 上原和江 編 『NYアート体験レポート』No.005 庄司 純 編 |
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Biography 吉野美奈子 (画家・彫刻家・詩人) ニューヨークを拠点に活動する コンセプチュアル・ビジュアル・アーティスト。 ●吉野美奈子official website ●吉野美奈子blog |
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2001年 渡米。 一貫して「大いなる愛・宇宙的生命のつながり」をテーマに作品を発表。絵画・彫刻ともに作風は、有機的かつ霊的。建築、音楽、舞踊をはじめ様々なアーティストのインスピレーションとなりコラボレーションに参加、その活動はNYタイムズでもとりあげられる。日本、米国をはじめ世界の各地で作品を発表。 2004年6月、米国最古の彫刻協会ナショナル・スカルプチャー・ソサエティーより 「平和のためのシリーズ」にて新人賞奨学金を受賞。 2005年3月、NY国連NGOアースソサエティ表彰式にて、舞踊家佐藤道代ととも に吉野の絵画に基づくアートプレゼンテーション「アース&ヒューマニティ」を発表。地球保護に関わる世界の知識人より喝采をあびる。 2006年黒大理石の代表作「Awaken(目覚め)」通称黒姫により、全米女性作家協会より日本人女性彫刻家として初の名誉賞を受賞。 卓越した技による独自の世界観の徹底した表現と、多方面での活躍に、NYメトロポリタン美術館、国連エクジビション部、全米具象彫刻協会、NYマルボロギャラリー、NYアートマガジン、NY市建設部等より高い推薦状を受けている。 |
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Biography 吉野美奈子 (画家・彫刻家・詩人) ニューヨークを拠点に活動する コンセプチュアル・ビジュアル・アーティスト。 |
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2001年 渡米。 一貫して「大いなる愛・宇宙的生命のつながり」をテーマに作品を発表。絵画・彫刻ともに作風は、有機的かつ霊的。建築、音楽、舞踊をはじめ様々なアーティストのインスピレーションとなりコラボレーションに参加、その活動はNYタイムズでもとりあげられる。日本、米国をはじめ世界の各地で作品を発表。 2004年6月、米国最古の彫刻協会ナショナル・スカルプチャー・ソサエティーより 「平和のためのシリーズ」にて新人賞奨学金を受賞。 2005年3月、NY国連NGOアースソサエティ表彰式にて、舞踊家佐藤道代ととも に吉野の絵画に基づくアートプレゼンテーション「アース&ヒューマニティ」を発表。地球保護に関わる世界の知識人より喝采をあびる。 2006年黒大理石の代表作「Awaken(目覚め)」通称黒姫により、全米女性作家協会より日本人女性彫刻家として初の名誉賞を受賞。 卓越した技による独自の世界観の徹底した表現と、多方面での活躍に、NYメトロポリタン美術館、国連エクジビション部、全米具象彫刻協会、NYマルボロギャラリー、NYアートマガジン、NY市建設部等より高い推薦状を受けている。 ハッタン57丁目のランドマークビルHearst Towerにて吉野の手がけた彫像12体(3メートル×12体)がライトアップされる。21世紀に残る仕事として、NYタイムズからも絶賛。さまざまなメディアを駆使してあらゆるステージで創り出される吉野の世界は、まさに歌のないオペラのような「視覚的体感空間」と言えるだろう。その世界は、人を自身に回帰させる「愛」というエネルギーに溢れている。 日本、米国、韓国の各地で作品を発表。2004年、米国最古の彫刻協会ナショナルスカルプチャーソサエティーより「平和のためのシリーズ」にて新人賞受賞。2005年、国連NGOアース・ソサエティ表彰式(NY国連プラザホテル)にて、吉野の絵画と詩「アース&ヒューマニティー」に基づくミクストメディアプレゼンテーションを発表。地球保護にかかわる世界の知識人たちより喝采をあびる。 |
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白川
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