『ニューヨークアートを体験しませんか?』No.006

こんにちは。吉野美奈子です。いかがお過ごしですか?
最近のNYはとても春らしく、今年はあまり厳しくない冬で助かりました。
この週末NYで開催されているアートエキスポArmory showにでかけてきましたが、昨日はまた、まさに春の陽気で、5時間ほどNYを中心に世界のギャラリーをまわると、すっかり喉がからからになる暑さ。全ギャラリーを制覇したところで、アート仲間と共にとメキシカンレストランへ直行、マルガリータで乾杯! はぁ、最高。


先週、依頼のあったギャラリーにアプリケーションを提出して、明日締め切りのコンペの書類を今日出したところですが、日本との違いは、何かというと、うーん、どこからはじめよう?
まず、先のアプリケーションの話は、アートスチューデントリーグのキュレーター経由で私あてにお手紙が届きました。ここは、130年前にNYに設立されたアートスクールで、ジョージア・オキーフやジャクソン・ポロックや、我が国からは、高村光太郎をはじめ、まぁとにかく、いろいろいろいろなNYの世界のアーティストたちが通過してきた交差点のような場所なわけですが、私は現在、その愛すべきリーグの彫刻クラスに所属していています。NYに渡った2001年当初は、もう片っ端からクラスをとっていて、当時、私はとにかく解剖学を勉強したかったので、デッサンから、解剖、ペインティングのあらゆるインストラクターのクラスをとりまくったものでした。ひとつの理由に、日本ではヌードモデルを描くことがとてもとても高くて、でも、ここだと、とんでもないおそろしく安い金額で飽きるほど、嫌というほど描ける。この格差はいったいなんなのか? 私は今まで何をしていたのか? もー、これは、パラダイスだと思いました。NYにいると、お金がなくてもアートが勉強できるのです。


リーグの授業料はアートスクールにしたら、決して高くはありませんが、それでも生きてくのがたいへんな学生には、いろいろな形のチャンスがあって、例えば、リーグのカフェやオフィスやメンテナンスを手伝うことで授業料を免除してもらえます。私も,彫刻のクラスをお手伝いすることで、免除していただいています。本当に本当にすごいことです。リーグは単位を認定するようなスクールではないので、権威や学歴が必要な方たちには他の学校のほうがよいかもしれませんが、お金がなくても自分のアートを追求したいアーティストには素晴らしい場所です。なぜなら、ここにはカリキュラムがないので、130コースというさまざまな内容のクラスの中から、自分が勝手に勉強したいものを選んで追求してゆけばいいわけです。それがリーグはじまりの所以でもありました。ナショナルアカデミーというところのたった5人の学生が、「アートを学ぶのに、なぜ決められたカリキュラムにそわなければならないのか? もっと,自分の追求したいものを自由に追求するべきではないのか?」 そんな疑問を持ち、やがてリーグ設立への大きな流れをつくります。現在ここには、2500人の学生がいて、この人々はまったく様々なジャンルや年齢層から形成されていて,実にユニークな出会いに恵まれます。ビジュアルアーティストだけでなく、ウォール街で働くアートを愛するコレクターとか、ギャラリーにつとめるアートラバーとか、アーティストと仕事をするために探している人たちとか。描ける人も,描けない人も、ここに来る理由はひとつでいいのです。ただ、「アートを学びたい」。本当に、いったい、それ以上何が必要なのでしょう? 国籍も、性別も,これまでのキャリアも問いません。プロになりたい人はがんばればいいし、楽しみたい人は楽しめばいいのです。個人が自由のスタイルでそれぞれに自分のアートを追求しています。それって、アートスクールのあるべき姿だと思いませんか?


年明けから、各クラスのショーが5ヶ月間にわたって展開されてゆきますが、そこで展示されてる作品をちゃんとみていてくれる様々な人たちがいます。私の大理石の処女作は、このリーグのギャラリーから売れてロサンゼルスのオペラシンガーの方のところにお嫁に行きました。お話をもどすと、リーグのキュレーターからいただいたお手紙は、とあるギャラリーの代表からのもので、昨年展示された学生の作品をチェックしておられて、今回、私は、光栄にも先方に対してスライドを提出するように求められた訳です。誰のコネも推薦も無く、こんなふうに、声をかけてくださる人たちがいるというのは、本当に感激です。そして、もうひとつのコンペの方の書類も、その主催者が自ら,リーグにやってきて、私に直接、声をかけてくださったものでした。だから、ここは、アートを追求するだけの場所ではなくて、「輝く命の交差点」なのだと私は思うのです。もっと、日常的なリーグのお話は私のHPからブログの中で、「A.S.League」を検索してみてください。そこがどんな場所だか、もっと感じていただけると思います。


で、今日、私は、みなさんに、「リーグを体験しませんか?」とお誘いしたい。


私は、いつか東京にもリーグみたいなスクールができたらいいなとずっとずっと願っていますが、それには、もっとたくさんの人たちに、このスクールの理念みたいなもの、なによりも気取らずに、プロでも初めての方でも、アートが好きなだけでアートをやれるという開放感を体験していただきたいと思うのです。
それで、いろいろ考えてみたのですが、例えば1週間でも、10日間でも、興味のあるクラスに参加してみるという、体験ツアーがあったらどうだろうか、と。
ちょうど、5月に私のクラスのショーがあるので、仕事着で参加するようなオープニングパーティとか、そのころ、私は、SOHOのギャラリーでも1本エクジビションがあって、それは、また、参加してる作家10人が全員一つのテーマのもとに自分の作品を通してプレゼンテーションしなければならなくて、で、参加者リストをみたところ、どうやら私は唯一の日本人らしいですから、できれば、そのレセプションにもみなさんをご招待したい。それで、とにかく私は英語は上手くないですから、その下手な英語でのアートディスカッションをみていただいて、みなさんにも「なーんだ、美奈子さんみたいな、あんな下手な英語でもやれてるんなら、私にもできるんじゃない?」って是非、思っていただきたい!


私も

NYでアートをやるなんて、私には不可能なんじゃないか?
って思ってました。
でも、はじめてみたら、簡単じゃなかったけど、可能だった。

弱肉強食って言われてる街で一人で生きていくのは無理なんじゃないか?
って思っていたけど
やってみたら、どうにかなった。

この街で、
SOHOや,ブロードウェイのギャラリーで自分の作品をみせるのは、
そして自分の作品を誰かに買っていただくなんて

夢の夢なんじゃないの? と思っていたけど、
やってみたら、可能だった。

夢の夢なんかじゃない。

可能になってしまった人生の出来事は
振り返ってみると、あまりにも自然にそうなったような気がして
踏み込む前の躊躇も、
一体どうしてそんなに心配だったんだろうと思えてしまう。

そのぐらい
終わってしまえばどんな不安も、結果がすべて消去してくれる。

人生の答えは

自分で生きたことしかわからない、と私は思う。

自分で歩いた道しか、本当のことは、わからないのです。

あなたがプロでも、初めて絵を描く人でも
そんなことは、かまいません。

ニューヨークアートを、体験してみませんか?

そこから何が生まれるか、
答えはあなたがみつけるはずです。





リーグ絵画クラスのスタジオ早朝風景。



自然光の美しい石彫クラススタジオ 大好きなキャロルと。



リーグのあと、谷口氏デザインで昨年お披露目のMOMAにゆきました(リーグからとても近い)。
  手前が私の好きなリチャード・セラの作品、奥はピカソの立体。
  ピカソもいいけど、ここは、モネの睡蓮の方個人的には好きです。
  各階から、別の階や、街の風景がみえるように、たくさんの窓があります。
  谷口氏は、作品とNYがコラボレートして、NYでなければみれない館内風景を演出されました。
  画期的です。



彫刻庭園につながる空間のセンターには、ロダンのブロンズです。
この自然光も実に美しい。



そしてロダンの手前にミロの大作。ここでは、オープニングやレセプションパーティが開かれます。
現在、MOMAでは、「ムンク展」が開催されています。世界から130点。とんでもない迫力です。
「性」や「死」をテーマにしながら、Armoryでみせられる作品とはやっぱり「格」が違う。
と,個人的には、これこそが、アート! とため息の連続。午後を満喫。。。



MOMAでムンクを堪能したあと、自分のスタジオに帰る前にふっと気を抜きたくなって、
NYで一番のお気に入りのセント・トーマス教会によりました。ここまで、ほんの3分の距離。
中ではパイプオルガンの音色が美しく奏でられ、感激やの私は、わけも無く泣きたくなり(笑)
それは、哀しいからではなくで、ただそこにある全てがあまりにも美しいからなのですが。
ここの教会コンサートがまたとても素敵なのです。5月にもありますから、ご一緒しましょうね。



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企画は5月に催行予定です。
技術に関する参加資格は問いません。
ご希望の方は詳細をお問い合わせください。
info@minakoyoshino.com
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※バックナンバー↓
MINAKOのNYダイアリー

『はじめまして、MINAKOです。―作品集の考え方―』No.001
『NYの OPEN STUDIO』No.002
『NYの OPEN STUDIO その2』No.003
『ART BASEL in Miami Beach/世界へのアプローチ』No.004
『NYアートの洗礼』No.005
『ニューヨークアートを体験しませんか?』No.006
『NYアート留学体験参加者募集』No.007
『黒姫受賞とNYアート体験一期生』No.008
『NY流お絵描きワークショップ&サマーパーティ in 東京!のご案内』No.009
『2006/12/7 NY直輸入吉野美奈子石彫刻展(12/17~12/23)&
絵画とダンスコラボレーション“つらなり”&
111幻アートスクールワークショップ (12/17~23)in Tokyoのご案内』No.010

『幻の記憶(111アートスクールレポート)』No.011
『生きる場所(吉野美奈子個展公演レポート)』No.012
『夢見る人々に NEVER TOO LATE 』No.013
『アメリカ独立記念日 』No.014
『吉野美奈子制作奮闘ダイアリー』No.015
『「光のアリア」個展報告と「チェルシーのギャラリー」』No.016
『いろんなアートの形(yozgalleryとmottainainy) 』No.017

NYアート体験レポート

『NYアート体験レポート』No.001 石塚智寿 編
『NYアート体験レポート』No.002 よしだみおき 編
『NYアート体験レポート』No.003 加藤健太郎 編
『NYアート体験レポート』No.004 上原和江 編
『NYアート体験レポート』No.005 庄司 純 編




Biography

吉野美奈子 (画家・彫刻家・詩人)
ニューヨークを拠点に活動する
コンセプチュアル・ビジュアル・アーティスト。
吉野美奈子official website
吉野美奈子blog
2001年 渡米。 一貫して「大いなる愛・宇宙的生命のつながり」をテーマに作品を発表。絵画・彫刻ともに作風は、有機的かつ霊的。建築、音楽、舞踊をはじめ様々なアーティストのインスピレーションとなりコラボレーションに参加、その活動はNYタイムズでもとりあげられる。日本、米国をはじめ世界の各地で作品を発表。
2004年6月、米国最古の彫刻協会ナショナル・スカルプチャー・ソサエティーより 「平和のためのシリーズ」にて新人賞奨学金を受賞。
2005年3月、NY国連NGOアースソサエティ表彰式にて、舞踊家佐藤道代ととも に吉野の絵画に基づくアートプレゼンテーション「アース&ヒューマニティ」を発表。地球保護に関わる世界の知識人より喝采をあびる。
2006年黒大理石の代表作「Awaken(目覚め)」通称黒姫により、全米女性作家協会より日本人女性彫刻家として初の名誉賞を受賞。

卓越した技による独自の世界観の徹底した表現と、多方面での活躍に、NYメトロポリタン美術館、国連エクジビション部、全米具象彫刻協会、NYマルボロギャラリー、NYアートマガジン、NY市建設部等より高い推薦状を受けている。




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