『アメリカ独立記念日』
No.014

 

みなさん、こんにちは。吉野美奈子です。
ニューヨークは少し前にすっかり夏?の勢いで暑くなったかと思ったら、ここ数日はいくらかひんやりした日が続いています。今日は2007年7月4日、アメリカ独立記念日のダイアリーからお届けしたいと思います。

6年前のこの日、アートを志して私はNYに渉った。
右も左もわからないこの街で、”アート”だけが、私の指針だった。
だから、毎年この日はいろんなことを確認する要の日となる。
なぜか”7月4日”は毎度恐ろしく制作に追われているから、いつも仕事の隙間にスタジオの屋上にあがって花火を観た。

考えてみれば”なぜか”というよりも、きっと”7月4日”は 「私はアートのためにNYに来たのだから」と深層心理にすりこまれていて、無意識のうちに私を制作に追い込むのかもしれない。

しかし、である。
今年は日本からとても大切な友人二人がNYに来てくれたので、私は"彼らをHAPPYにする"という恰好のいい訳を得て、自らも休日を楽しむことにした。

世界の超一級名画の旅に、6年前には右も左もわからなかったNYの、今や100回も通って知り尽くしたNY近代美術館を案内したあと、二人は私のスタジオにやってきた。
思えば、24時間いつでも好きなときに制作のできるスタジオでの生活?なんていうリアリティ自体、東京で普通にOLをしていた私には想像さえきなかった訳で、
でも”ある”のだ。
そんな、”夢みたいな生活”は。

勿論、何処の国にも、何処の街にも、何処の社会にも、嫌なことは山のようにある。
世界は陰陽なのだから、それは普通だろうと私は思う。
でも自分が追いかけている夢のために、そんな問題は何でも無いと思いきれるほどの素敵なエネルギーがこの街には充満していた。
そもそも私の中の”夢みたいな生活”というのは、”嫌なことの無い生活”では無かった。
いつだって問題は起こるし、どんな問題だってなんとかなる。
どうせなら、一番やりたいことのための嫌なことのほうがいいと思った。
アートを遂行するために、問題があれば解決すればいいだけのことで英語が問題なら勉強すればいいし、法律が問題なら法律を勉強すればよかった。
足りていない部分が”問題”というリアリティで表層化してくるだけのことでそれは、いつでも素敵な次のステージへのKEYだった。
その中で、一人でどうにもならないことは助けを求めれば良いと、この街では素直に思えた。
そして誰かに助けが必要なら自分ができるだけの形で助けてあげればいい。

人は、もっと繋がっているのだ。

アメリカという国は、わずかな先住民を除いては、ほとんどが移民によって誕生した国である。
しかも、NYと言う街はまさに人種のるつぼで、誰も肌の色が違うからとか、着てる服が珍しいからと言ってよそ者にならない。
だって、みんな世界の様々な場所からこの国にやって来たよそ者なのだ。
私のように家族も身寄りもなく、スーツケースひとつでひょっこりやってきた外国人が、困ったときにどうするのかと言えば、遠くの家族にたよったところでどうにかなるような話ではない。
その時周りにいる人たちに助けを求めるしか無く、それがここでは日常である。
ほっと一息ついて”Thank You"と言う前に、助けてくれた彼らは消えていたりする。

まさに呼吸をするように、人は助け合う。

1776年7月4日。
当時のグレートブリテン王国によって統治されていた13の植民地が独立宣言をし、可決された。
その前文には”生命、自由、幸福の追求”の権利が掲げられた。

ゲストと共に今年初めて独立を祝う花火を観るために、スタジオの屋上ではなく、イーストリバーに近い場所まででかけた。
マンハッタンの夜景をバックに、広がる花火を観ながら私は思う。

”そうだ。私の生命と、自由と、幸福の追求のために、私はアメリカにいる。” と。

HAPPY JULY 4TH.
感謝をこめて。

美奈子






※バックナンバー↓
MINAKOのNYダイアリー

『はじめまして、MINAKOです。―作品集の考え方―』No.001
『NYの OPEN STUDIO』No.002
『NYの OPEN STUDIO その2』No.003
『ART BASEL in Miami Beach/世界へのアプローチ』No.004
『NYアートの洗礼』No.005
『ニューヨークアートを体験しませんか?』No.006
『NYアート留学体験参加者募集』No.007
『黒姫受賞とNYアート体験一期生』No.008
『NY流お絵描きワークショップ&サマーパーティ in 東京!のご案内』No.009
『2006/12/7 NY直輸入吉野美奈子石彫刻展(12/17~12/23)&
絵画とダンスコラボレーション“つらなり”&
111幻アートスクールワークショップ (12/17~23)in Tokyoのご案内』No.010

『幻の記憶(111アートスクールレポート)』No.011
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『夢見る人々に NEVER TOO LATE 』No.013
『アメリカ独立記念日 』No.014
『吉野美奈子制作奮闘ダイアリー』No.015
『「光のアリア」個展報告と「チェルシーのギャラリー」』No.016
『いろんなアートの形(yozgalleryとmottainainy) 』No.017

NYアート体験レポート

『NYアート体験レポート』No.001 石塚智寿 編
『NYアート体験レポート』No.002 よしだみおき 編
『NYアート体験レポート』No.003 加藤健太郎 編
『NYアート体験レポート』No.004 上原和江 編
『NYアート体験レポート』No.005 庄司 純 編




Biography

吉野美奈子 (画家・彫刻家・詩人)
ニューヨークを拠点に活動する
コンセプチュアル・ビジュアル・アーティスト。
吉野美奈子official website
吉野美奈子blog
2001年 渡米。 一貫して「大いなる愛・宇宙的生命のつながり」をテーマに作品を発表。絵画・彫刻ともに作風は、有機的かつ霊的。建築、音楽、舞踊をはじめ様々なアーティストのインスピレーションとなりコラボレーションに参加、その活動はNYタイムズでもとりあげられる。日本、米国をはじめ世界の各地で作品を発表。
2004年6月、米国最古の彫刻協会ナショナル・スカルプチャー・ソサエティーより 「平和のためのシリーズ」にて新人賞奨学金を受賞。
2005年3月、NY国連NGOアースソサエティ表彰式にて、舞踊家佐藤道代ととも に吉野の絵画に基づくアートプレゼンテーション「アース&ヒューマニティ」を発表。地球保護に関わる世界の知識人より喝采をあびる。
2006年黒大理石の代表作「Awaken(目覚め)」通称黒姫により、全米女性作家協会より日本人女性彫刻家として初の名誉賞を受賞。

卓越した技による独自の世界観の徹底した表現と、多方面での活躍に、NYメトロポリタン美術館、国連エクジビション部、全米具象彫刻協会、NYマルボロギャラリー、NYアートマガジン、NY市建設部等より高い推薦状を受けている。




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